「先生、ある男子が自習室でちょっとうるさいので、注意してくれませんか」
ある年の10月。高校3年生で大学受験を控えた女子生徒が、困った顔で講師室に来て僕に助けを求めてきた。
おやおや、みんなが頑張って勉強する自習室でうるさいのは困りますねぇ。どれどれ……。
僕の視界に入ってきたのは、田中くん。「あぁ、田中くんか」と僕はすぐに納得。
彼は非常に真面目で授業態度もよく、課題の提出率も良い。なんなら、その予備校でトップレベルの成績を収める優秀な生徒だ。
ただ一つ、困ったクセがある。独り言が多いのだ。いやむしろ、自習しているときはほぼ独り言を言っている。時には数学の図形問題を考えているときには、両の手が丸や四角、放物線を描く動きをして、見ていると時折、正直うっとうしい。その女子生徒が助けを求める気持ちもよくわかる。
「田中くん。めっちゃ一所懸命勉強してるね。いい感じだ。でも、もう少し声のトーンを落とそうか」
「あ、すいません、ついクセで……。気を付けます」
こういう素直さも、彼のステキなところだ。
さて、「独り言が多い人は頭がいい」という傾向があることはご存知だろうか。
(続く)
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最近このネタが多いですが、
またまた天狼院書店のライティング・ゼミでの課題に合格して、
ホームページに僕の記事が掲載されましたーーーー♪(≧∇≦)
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「独り言はスマートドラッグだ」
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