コーチング

技術を使えば使うほど、相手は離れていく

カウンセラーやコーチだけではなく、
学校の先生や子を持つ親も、
皆が持っておいたほうよいスキルがあります。

それは「聴く」スキルです。
いわゆる「傾聴」のスキルです。

ただ、今ここで「スキル」という言葉を使いましたが、
実際には「スキル」と思ってしまっては機能しない場面が多いです。
例えば「相手の言ったことを繰り返す」というスキルが傾聴にはあります。
これを単なるスキル・技術だと思って使うと、返って逆効果になります。
カウンセリングに来た人が、自分の体験を一所懸命話しているところに、
カウンセラーが「相手が言ったことを繰り返せばいいんだな」と思って繰り返すと、
その患者さんは「この人は技術を使って私の話を引き出そうとしている」
と思ってしまい、警戒してむしろ本音を話さなくなります。

難しいのは、スキルはスキルとして重要なのですが、
「スキルを使おう」として使うと効果がありません。

大事なのは、なぜそのスキルを使うのか?
スキルを使う意図が大切です。

カウンセラーや先生は、相手の話をしっかり受け止める必要があります。
どんな話をしても、相手の存在ごと認めて、ちゃんと聴くことによって
「どんなあなたでも大丈夫」
というメッセージを、聴く姿勢によって伝えることが大切です。

相手の話を引き出そうと思ってはいけません。
相手を受け止めようとする心が大切です。

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