英語の講師として教えている予備校の、年度末のある最終授業にて。
事務局から、ある生徒の相談に乗ってあげてほしいとの依頼。
次年度のことでいろいろ悩んでいるらしく。
会って話を始めて、
ものの10秒後には大粒の涙を流していました。
その話し振りはしっかりとしたものを感じながらも、
まさに涙は溢れて止まらない状態でした。
その生徒の話の要旨は、以下。
————————–
自分の学校はエスカレーターだから周りは焦ってない。
塾だと周りがどんどん先に進んで、置いていかれてる気分。
だからといって、スイッチが入らない自分がいる。
このまま高3になって塾の授業を受け続けても、
身になる気がしない。それならお金の無駄になる。
親にも申し訳ない。
今、自分が何をしたいのかもわからない。
大学受験以外の道も含めて考えるために、
一度リセットしたい。
————————–
話を聞いていると、
自分を客観的に見れているし、
親への感謝の心もあって、
もうホントに素晴らしいなと思って聞いていました。
ただ、気は焦るばかりで行動が伴わない。
そんな自分に腹立たしさを感じての涙だったのでしょう。
こういう面談を終えるといつも思います。
何を言ってあげたら正解だったのか。
僕はひたすら話を聞いて、承認して、
どうしたいかを聞いて、承認して。
話を聞く→承認
の繰り返し。
したいことが見つからない、というまさにその悩みに対して、
僕がしてあげたいことはたくさんある。
結局、人の悩みというのは、
他人と比べることから生じるものだと、
感じさせられた一件でした。
塾を辞めてしまった生徒に対しては、
僕はなす術がありません。
会社のルールですから。
その生徒はきっと、自分の中にある小さな
「〜したい」という心の声に耳を傾けることで、
道が開けてくるのだと思います。
小川なら、少し時間をもらえれば、
そのお役に立てるのに。
歯痒い。
そんな一件。